コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ギャング・オブ・ニューヨーク(2002/米=独=伊=英=オランダ)

スコセッシが描きたかったのはニューヨーク、そしてアメリカ。それに尽きる。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あの映像を言葉で表現するのは難しい。雑然?混沌?とにかくあの時代を完璧に再現している映像には圧倒されっぱなしだった。色々考えてみて、ラストで復讐もロマンスも無にしてしまうのは、ただ真のアメリカを、ニューヨークを描きたかっただけだったんじゃないか?という気がしてきた。

血で血を洗い流し、全てがメチャクチャになりながらもアイルランド移民や黒人を受け入れ、吸収しながら、世界最大の大国となったアメリカ合衆国。復讐、愛、沢山の人々の想いを無にし、飲み込んで成長していったアメリカ合衆国。ギャングの発端などではなく、ただそれだけを描きたかったのではないだろうか?

ラブストーリーもそういう点で唐突過ぎはしたのだが、必要だったと思う。そしてラストシーン、あの2001年9月11日から姿を見ることができなくなってしまった貿易センタービルは印象的だった。かつてはこの映画のような出来事があったが、世界有数の都市となったニューヨークの象徴。色々な出来事があったがそれらを乗り越え、アメリカは大きくなった。血で血を洗い流した歴史。あれは現代となっても同じことを繰り返そうとする、ブッシュへの皮肉でもあるのかもしれない。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)ペンクロフ[*] MM[*] tredair[*] ジョー・チップ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。