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[コメント] 下妻物語(2004/日)

ストーリーにベストマッチしたキャスト(深田恭子土屋アンナ)もさることながら、技巧的な映像とテンポの良いカット割に感銘を受けた。漫画を題材にした映画としては最高の出来だった。CMディレクターの腕もバカにはできない。
Pino☆

 CMディレクターやPVディレクターが映画監督になるというのは自然な流れのようだが、今までロクな作品に出会ったことはなかった。だから、同じ映像作家でも、最初から映画を目指した人と、映画をCMやPVの延長線だと捉えていた人には、人種の違いのようなものがあり、前者でなければ絶対に良い映画は撮れないとも思っていた。ところが、この映画はその固定観念を一変させた。CM作家もバカにはできないと、つくづく思った。

 ご存知の通り、中島哲也監督は、日清カップヌードル“hungry?”のCMなどで、数々の賞を受賞した売れっ子CMディレクターである。カップヌードルの他にも、卓球を扱ったサッポロ黒ラベルや、回転少女のサントリー燃焼系アミノ式飲料など、数多くの話題になったCMがある。

 本作でも、それらを彷彿させる映像が沢山あったが、特に奥行き感を意識した映像に感銘を受けた。縦方向に奥行きのある映像→顔のアップ→横方向に奥行きのある映像というように映像のつなぎ方も非常に巧い。カット割のテンポも抜群だ。

 カラフルな色の使い方も絶妙だった。極彩色の映像は、やりすぎるとケバケバした感じだけが残ってしまうものだが、緑の田園風景や水色の空など、背景色の適度な鮮やかさが目に残り、観ていて心地良かった。

 この映画に関しては、個性的な主役の2人が一番の功労者であることは間違い無いが、それ以上に中島哲也監督の手腕は評価に値する。次回作に大いに期待したい。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)sawa:38[*] けにろん[*]

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