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[コメント] SAYURI(2005/米)

もともと芸者という職業が良く分かっていなかったのだが、この映画を観て芸者という存在が余計に分からなくなった。本物の舞妓さんや芸妓さんが見たら、どんな反応を示すのかちょっと知りたくなった。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 吹き替え版鑑賞。なので、英語の違和感については、さほど(というか全く)感じなかった(当たり前か)。この映画で特に凄いと思ったのは、衣装や美術へのお金のかけ方。映像の緻密さは『ラストサムライ』以上で、古い町並みや人、小道具に至るまで細かく再現されていた。相当な気合の入れようで、映像に関しては美しいの一言に尽きる。ただ、日本的な情緒まで充分に表現されていたかというと、そこはやや疑問。

 まあ、芸者自体、良く分かっていない自分は、あれこれ文句を言える立場ではないので、余計なアラ探しをする気はないが(と言いつつ、1つだけ言わせてもらうと、舞の海、横綱で得意技が”はたき込み”はマズいだろ。親方衆に怒られるよ。)、スクリーンから伝わってくる情感は、日本映画というより、ハリウッド映画のそれに近かった気がする(もちろん、この作品はハリウッド映画なのだけれども)。

 ストーリーは、艱難辛苦を乗り越えて・・・という殆ど「おしん」みたいな感じだが、話の核となる肝心の芸者について、最初に詳しい説明が無いので、良く分からないまま、話が進んでいく。高級クラブのホステスみたいなものだと思っていたら、どうやらそういうことでは無いらしいし、芸達者で三味線が弾けて、踊りもできないと芸者じゃないと言う。間違っても、娼婦とは違うらしい。でも、ご贔屓さんとは、体のつながりがあるし、たまにお客さんを誘惑したりもする芸者もいるらしい。舞妓さん、芸妓さんを預かる置屋さんは、どうやら住み込みのプロダクションのようなものらしく、女将はそのプロダクションの社長らしい。舞妓さんや芸妓さんは、みんな置屋の女将の後継者を目指して頑張っているらしい・・・。 うーん、よくわからん??? 本物の舞妓さんや芸妓さんが見たら、どんな反応を示すのかちょっと知りたいところだ。

 芸者という文化についてはさておき、苦しいシーンの連続(殆ど2時間位は苦しいシーンじゃないかな)でも、最後はハリウッド映画の王道的ハッピー・エンドで胸をなでおろさせてくれる(濃厚なキス・シーンは余計な気がしたが)。恋愛モノとして見れば、悪く無かった。

 俳優陣は流石に名前が売れている人ばかりなので安心して観ることができた。チャン・ツィイー はじめ、(日本から見ると)外国人が演じる日本人の違和感もさほど無かった。渡辺謙桃井かおりは、さすがの一言。でも、特に素晴らしかったのは、さゆりの少女時代を演じた大後寿々花。彼女のことは余り良くしらないが、今後大物の女優になる可能性を充分に秘めている気がした(既に大物の仲間入りをしているのかもしれないが)。今後の活躍に期待したい。

 ところで、さゆりの目が青いのって、何か意味あったんだっけ? 目が青いのはハーフだからで、それゆえ外国人に気に入られて商談成立⇒ハッピーエンドというストーリーかと予想したんだけど。。。??

(評価:★3)

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