[コメント] 時計じかけのオレンジ(1971/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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暴力に嫌悪を持つ体質に改善させられたアレックスを待っていたのは、かつて痛めつけた街の人々の悪意ある暴力だった。ここに、憎しみと暴力連鎖の縮図が見えるように思えた。
代表例が、パレスチナや北アイルランドで見られるような宗教対立である。暴力が暴力を生み、その連鎖は誰も止めることができない。
北アイルランドの領有権を巡ってIRAと対立関係にある過激派組織に、オレンジ党(参照※)というのがある。 アレックスがプロテスタントであること、政治的に利用されていることなどから、「時計じかけのオレンジ」の「オレンジ」の部分に隠された意味は、オレンジ党ともとれないだろうか?
考え過ぎかもしれないが、とにかく解釈が難しい映画で、頭の悪い私には理解不可能な部分が多かった・・・。
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※ オレンジ党とは?
1795年、北アイルランド・アルスターで農地の取得をめぐってカトリックとプロテスタントの間で争いが起こり、その結果、結成されたプロテスタントとイギリス王権支持の北アイルランド最大の過激派組織で、カトリック系との和平合意には徹底的に反対している。 「オレンジ党」という名前は、17世紀に英国王となったオレンジ公ウィリアムに 由来し(オレンジ公は1690年、名誉革命で英王位を追われたジェイムズ2世 率いるカトリック軍を、アイルランドのボイン川で破り、英国のアイルランド支配 を確立した)、オレンジ色のリボンを党の記章に定め、カトリックとの争いにおいてプロテスタントの利益を守ることを目的としている。
※※ オレンジ党とIRAの衝突
北アイルランドのプロテスタント住民の伝統行事に、「ボイン川の戦い」を記念して、オレンジ公の戦跡をたどる行進がある。しかし、これは北アイルランドの英国支配を主張する示威行為でもあり、アイルランド統一を願うカトリック系住民にとっては、神経を逆なでされる屈辱的行事でもある。近年は沈静化しているが、毎年この「オレンジ党行進」の前後には、両者の衝突が繰り返されてきた。
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