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[コメント] スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス(1999/米)

やり過ぎのCGと凝り過ぎたメカデザインのせいで、中間3部作よりも前の時代という気が全くしなかった。これでは、前半3部作と中間3部作が映像的に繋がらなくなってしまう。ストーリーよりも、そこが不満。映像だけ見れば、「エピソード7」だね。
Pino☆

<<ジョージ・ルーカスはエンジニアなのだ>>

 『エピソード2/クローンの攻撃』を見た。エピソード1同様、メカにしても、衣装にしてもクラシック・トリロジーの面影は全く無く、CGの多用には目が回りそうだった(EP2を未だ見ていない方ごめんなさい)。ヌメヌメしたクロームの宇宙船に周りの風景が映り込むシーンなどは凄いのだが、CGであることがハッキリと分かるし、余りに未来的すぎて、クラシック・トリロジーのオンボロ宇宙船や戦闘機(ファルコン号やXウィング)に愛着を持つ私にとって、馴染めるものではなかった。

 しかし、ふと思った。どんなに、我々がCGを始めとしたデジタル映像技術が良くないと言っても、ジョージ・ルーカスが、この技術の使用を控えることは絶対ないだろうと。

 なぜなら、ジョージ・ルーカスという人は、映画監督である前に、生粋のエンジニアだからだ(今さら言うまでもないが)。

 ジョージ・ルーカスは沢山の肩書きを持っている。しかし、映画監督、脚本家、プロデューサー、映画会社の経営者・・・。しかし、彼のことを最も上手く表現しているのは、映像エンジニアではないだろうか?

 映画監督が映画を作る動機は様々だ。良い題材にめぐりあった、良い役者を見つけた、映画を通して自分のメッセージを表現したい、・・・etc。おそらく、ジョージ・ルーカスの場合、それは映像技術になるのだと思う。つまり、彼が映画を作る動機は、新しい映像技術との出会いがあったとき、それを使って世間をあっと言わせたいというところにあるのではないだろうか?

 エピソード1を作る前、彼はこんなことを言っていた。「現在の技術なら『エピソード1』の構想を映像化できると判断した」と。映画を見終わった多くの人は、本当に現在の技術が無かったら作れなかったのか?と疑問に思ったと思うが、ある意味、それは間違っていないと思う。ここ数年の映像技術の急速な進化が彼にやる気を与えたのだと思うのだ。つまり、CGを初めとしたデジタル技術の進化がジョージ・ルーカスにスター・ウォーズ・シリーズを作らせるモチベショーンを与えたと思うのだ。

 ジョージ・ルーカスは、ある意味、F−1と似ているかもしれない。F−1レースは革新技術が生まれる度に、ドライバーの技量がレースを左右するウェイトが減るという歴史を繰り返している。かと言って、F−1での技術革新は決して止まらない。ルーカスの場合も同様で、新しい映像技術を導入する度に、映像に人間性や生気が無くなっている気がするが、ルーカスは決して映像技術の進化を止める 気は無いようだ。やはり、ルーカスは生まれながらのエンジニアなのである。

 そう思って『エピソード1』を見てみると、映像技術は確かに凄い。見どころは盛り沢山で、デジタル映像の見本市のような作品である。この凄さを体感できるところにも、新スター・ウォーズ・シリーズの楽しみ方はあるのではないだろうか?というわけで、以前は☆2にしていたがジョージ・ルーカスの技術屋魂にプラス1点することにした。

<追記>  この様に考えてみると、この先、ビックリするような映像技術革新があれば、ジョージ・ルーカスは、「こいつを使って、エピソード7でも作って世間をアッと言わせてやろっかなぁ」なんて気になるかもしれない。そんな日が1日でも早く来ることを祈るばかりである。

[2002.7.30]

(評価:★3)

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