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[コメント] コンタクト(1997/米)

科学2:映画8、くらいか。さすがにカール・セーガンが名を連ねているだけあって、前半までは、冷静な仕上がりをみせている。そしてその冷静さにこたえたジョディ・フォスターの好演が光る。
シーチキン

「日本式室内」とか、ところどころそれはないだろう、ということもあったが、SFの内のフィクションの方の枠内ということで、許されるとは思う。

ただ映画のもう一つのテーマとも言える宗教の扱いについて。見ていて思ったが、「あなたは神を信じますか?」と言うこの質問は、欧米、というかキリスト教世界と、日本や中国のような大らかな多神教の世界とでは、ぜんぜん違った意味合いを持たされているのはないだろうか。

イスラム教とヒンズー教のことはよく知らないからわからんが、この点では俗に言う一神教と多神教とは、思っている以上に本質的な違いがありそうであった。極端な例えで言えば、キリスト教世界の宗教とは信仰であり、個々人の生き方にかかわるが、日本や中国の多神教の世界で宗教は、信心であり、生活にかかわるものか。

あるいはキリスト教ではただ一人の神の存在がいたるところにある、と感じるのに対して、日本や中国ではいたるところ、それぞれに神がある、と考えるということか。(そしてそう考えることは、暗に神がまだいないところもありうる、ということも含んでいる)

だから、キリスト教の世界で科学するカール・セーガンは、おいそれとは、神の存在の有無なんてのは、個人の勝手だ、みたいに切り捨てられんのだろうなあ。

また映画としてみた場合、科学者のカール・セーガンでは無理ないかもしれないが、キャラクター造形がちょっとありきたりすぎて、物足りなさが残った。

(評価:★4)

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