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[コメント] ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)

ロバート・デュバルが素晴らしい。彼の身体に染みついたかのような、熟練したカウボーイの雰囲気と落ち着いた演技によって、いっそうケビン・コスナーのチンピラぶりが際立って、その対比と二人の渋い信頼関係が非常に好ましいものに思えた。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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全体としては往年の派手派手な西部劇よりはリアルな雰囲気を志向したらしく、遊牧民の如く西部を移動しながら牛を追っていくカウボーイの描き方は、その落ち着いた仕草や、雄大な風景のとらえ方の上手さとあわせて好感が持てた。

撃ちあいにしてもなかなか弾があたらないとか、一発や二発弾があたったくらいでは死なないなど、バンと撃って終わり、というものとは一線を画しているのはわかるのだが、その割にはケビン・コスナーの2丁拳銃は、弾切れもせずに撃ちすぎじゃないかというのが気になる。

それにそういうとこに気を配って、全体を見渡してみると、リアルな西部劇を志向しつつも、実は、悪徳牧場主と敢然と対決する正義の流れ者チーム、カウボーイ+元ガンマンという図式にきれいにはまっていて、なんだかんだ言っても、往年の、古き良き西部劇をしっかり踏襲している。

また最後の方の、酒場でのケビン・コスナーアネット・ベニングとのシーンはなくてもよかったのではないか。ありきたりの恋愛ドラマを挿入することが悪いとは思わないが、リアル志向とえらく相性がよくないものとなっていて、あのシーンは映画の中でもすわりの悪いものとなっていたのではないか。

このシーンがなくても、雑貨屋でティーセットのカタログをくすね、遺言を託したケビン・コスナーの姿だけでも、十分、男の純情を感じさせたがなあ。この辺は、日本人とアメリカ人の感性の違いかなあ。

(評価:★4)

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