コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 隠し砦の三悪人(1958/日)

重みでは『七人の侍』に、豪快さでは『椿三十郎』に、及ばないような気がする。三船敏郎には、宮仕えよりも素浪人の方が似合ってると思う。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それでも、疾走する馬上で斬り合いをやったシーンや、槍を使っての一騎打ちなどは、昨今の時代劇の到底及ぶべきもない、大変な迫力のあるシーンの連続であった。

また、忘れがたいのが雪姫上原美佐の魅力。凛々しく、美しく、ピンとはった姿勢の良さといい、ビシッと決まった乗馬のさっそうたる格好よさといい、心底惚れ込む。

いまだに脳裏に刻みこまれているのは、彼女が登場した時。馬を下りて山の中を散策していて、きれいな花を見つけてその匂いをかごうとしたシーンである。

肩幅くらいに開いたすらりとした足に、乗馬の鞭は腰の後ろで両手で両端をつかみ、腕は伸ばして手の甲が身体の正面を向いている。その姿勢のまま、花をとりよせるのでなく、足を伸ばしたまま、背筋をピンと伸ばして腰からくっと体を曲げて顔を花に近づける。

何とも言えず気品にあふれた姿勢で、私は、私は、思わずスクリーンに向かって、「ひ、姫さま〜」と平伏しそうになった。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)いくけん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。