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[コメント] マイレージ、マイライフ(2009/米)

ヴェラ・ファーミガアナ・ケンドリック 二人の女優が素晴らしい。粋でいなせで妖艶な大人の女もゾクゾクさせるし、生意気なところがある可愛くて健気な女の子も目が離せない。個人的には甲乙つけがたく、これだけでも見た甲斐があった。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それにしてもこの映画、まんま『男はつらいよ』なのね。ジョージ・クルーニーが「寅さん」に見えてしまう。

もちろん、クルーニーの方は見た目から身のこなしまで万事がスマートでばっちり決まっていて、できるビジネスマンそのもので、「フーテンの寅」とはまるで違うが、それでもこの映画の魅力は、ほぼ「男はつらいよ」の魅力と同じだと思う。

一人でいるよりも、そうでない方が幸福になれるとわかっても、やっぱり一人でいることになってしまうという切なくて典型的なオチもそうだが、それ以上に、人が生きるということ、人生の魅力を描くという点で共通している。

ささやかな幸せや出会いもあるけど、ままならないこともあるし、心に痛みがはしることもある。

とりわけ最後の1000万マイル達成のシーンなんていうのは、人生の皮肉そのものでもある。

この映画は、そういう人生のつらい部分、切なくてやりきれない気持ちを、けして否定しない。それらも含めて生きていくことの魅力としてとらえていると思う。

だからこそ、自分がそういう切ない目にあっても、寅さんの最後のいつものハガキよろしく、さりげなく相手を思いやることができるし、その思いやりが見終わった後に、暖かくて素敵な余韻を残してくれる。

いっそのこと、山田洋次監督に、ジョージ・クルーニー主演で、「寅さん」みたいな映画を、延々とシリーズ化してほしいくらいだ。時にはやっつけ仕事の駄作みたいなのが交じってもいいから。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)きわ[*] ナム太郎[*] 3819695[*] けにろん[*]

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