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[コメント] 義兄弟(2010/韓国)

息を止めるほどのアクション。獲物を必ず仕留める凄腕の殺し屋。そこはかとないユーモア。人間らしくありたいというささやかな希望。それらを全部盛り込んで、映画っていいなあと実感させる。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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朝鮮半島の南北融和から北朝鮮による核実験強行という現実に歴史をきっちり取り込み、韓国の移民問題も絡めて、一種のリアリティをかもし出しているのがうまい。

特筆すべきは序盤の、襲撃から暗殺、逃走、追跡にいたるアクションシーン。とりわけ追跡シーンはものすごい迫力で、文字通り息を止めて見入ってしまった。そして、高速道路で殺し屋がカブでようやく逃げ切って、なんだかやっと終わったとほっとしてしまった。

中盤は適度に笑いをいれながらドラマを見せて、二人の男の、心の底にある人間としての思いをくどくならない程度にさらりと描く。

ここまでの、本当にうまい映画づくりに比べると、ラストの、万事めでたしめでたしのハッピーエンドはあまりに空想的でのどか過ぎるような気がしないでもない。

ただ、そういうのどかな空気を一人で引き締めたのは、名前もさだかでない、問答無用で殺しまくった凄腕の殺し屋だろう。

特にエレベーターの中で目標を視認するや、いきなり銃を抜いて発砲し、エレベーターを停めたシーンは、獲物を逃さぬ猛禽類のような凄みがあった。

このすさまじい殺気は、本作のイメージを全体にわたって支えていると言っても過言ではない。

(評価:★5)

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