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[コメント] ロボジー(2012/日)

絵づらを見ているだけで笑ってしまうシーンがいくつもある。しかもそれは、人を傷つけたり馬鹿にしたり見下したりするものではない。本当に、つい笑ってしまう、そして明るく元気が出る良質な笑いだ。
シーチキン

物語の骨格はあきれるほど単純。ストーリーそのままに、「えっ、それだけ」というものに過ぎないのだが、それでもじんわりと暖かくなる。人情の機微を実に細かくとらえているということなのだろうか。

それに話の作りも上手い。コスプレの使い方なんかは感心する。矢口史靖監督が、『ウォーターボーイズ』、『スウィングガールズ』、『ハッピーフライト』と回を重ねるごとに、目に見えて洗練され、シンプルでありながらも本当に笑えて暖かい気持ちにさせてくれる技量を向上させているのがわかる。(冬にこういうのを見てこそ気持ちが良くなるのかも)

主演の五十嵐信次郎の演技は、どこにでもいそうな爺さんそのもので、良くこれだけの役者を見出したなと思うが、他の役者の使い方もみな自然にそれぞれの役どころに溶け込んで無理がない。田畑智子はなんだか妙に美人になっていて、あれっと思ってしまった。

本作は、ぱっと見た限りでもあきれるほど金がかかっていない。一番金がかかったのは冒頭のロボット博覧会のセットとエキストラ、本物の最新ロボットの輸送費くらいじゃないかと思えるほど、質素な映画だ。それだけに北九州市の街をつかったロケが良く似合う。

こういう映画を日本でもっともっと、撮り続けて欲しいと心底願う。

(評価:★5)

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