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[コメント] スーパー・チューズデー 正義を売った日(2011/米)

こういうのは「泥沼エンターテイメント」とでもいうのだろうか。ライアン・ゴスリングジョージ・クルーニーフィリップ・シーモア・ホフマン、三者三様の演技合戦は見ごたえがあった。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







表面上は、理想を掲げる者、その理想に共鳴する者、忠誠を尽くす者、の3人の中で、それを最後まで貫くのは誰かという物語でもある。そして3人の中では一番若い男が真っ先に罠に落ちるところまでは予想通りだが、そこから先の展開は、人のえげつなさを存分に味わえる。

終盤はどの台詞をとっても空しさが漂うが、その中で唯一、人間味を見せたのはホフマンの「知事の弱みはなんだ」という台詞だ。自分にはけして弱みはないと確信しているからこそ出る言葉なのだろう。ドスを利かせながらも意外に誠実さを感じさせる人柄を演じたホフマンが本作の一番の功労者だと思う。そしてそういう役柄が最後には敗残者として追われていくという姿がこの映画を一番良くあらわしていると思う。

ジョージ・クルーニーも、理想を掲げ裏取引を一度は拒みながらも、その時でも「たとえ負けても裏取引はしない」ではなく、「裏取引なしで勝てる方法を」をいい、実は勝つことについては絶対に譲らない執念を見せている。

そしてこの二人がいてこそ、「一流に学んだ」というライアン・ゴスリングの、変節というか変わり身というか、あるいは「成長」に説得力が出てくる。

(評価:★5)

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