[コメント] サウルの息子(2015/ハンガリー)
この世の地獄を見る映画。
映画の画面そのままに、目の前のことしか見ず、何も考えず、感じずにいるしかないゾンダーコマンドの実態には戦慄を覚える。
生々しい虐殺を描きながら、それらはすべて背景であり、焦点があてられることはない。
だからこそ見ている我々はかろうじて耐えられる。そして実際にそこにいる人間にとっても、目の前で起きていることを「見ながら見ない」ようにでもしないと生きていけないのだろう。
同時にこのことは、我々が目の前のことしか見なくなり、考えることを放棄したときには、ただの家畜のように言われたことに従順になってしまうと警告しているようでもあった。
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