全体としても、そう悪い人間は出てこないだけに、返って人々の夢と欲と挫折と悲劇をもつ「一攫千金」のドラマがひきたつ感じがする。

終盤、開き直ったＣＥＯが「損をしたから来たんだろ！儲けていた時は黙っていただろう。これがビジネスだ」みたいな事を口走ったが、それについて本作は否定も肯定もしない。まさに「一攫千金」というのはこういうものだという事を暴いている。

だが一方で、大損をさせても自家用ジェットで飛び回る人間と、すべてを失って絶望する人間がいるということに、しっかり目配せもしているのは立派。

放送スタッフの描き方も悪意がなく、全体的に好ましいが、それにしてもジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツは二人ともずい分、好意的に撮られているなあ。

特にジュリア・ロバーツは贔屓されてるんじゃないかというほど、良い役回りではあるが、それに見合った魅力を十分、発揮しているのは良い。ジョージ・クルーニーも最近は、微妙に情けなさを演出しているようにも見えるが、まあそれはそれでいいんじゃないだろうか。