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[コメント] 赤穂城断絶(1978/日)

これだけ世に知られた物語だけに、どこで監督らしさを出すか難しいところだが、深作欣二監督は最後の討ち入りのシーンでそれを出した、と思えば納得のいく映画で、見て損はない一本。
シーチキン

ドラマとしてみると盛り上がりに欠け平坦な印象だし、各種のエピソードを省いている感はいなめないし、松の廊下にしても「かつての遺恨、覚えたか」の台詞が、「かつての恨み、覚えたか」に変わってしまっては興ざめだし、主従今生の別れにしても型通りで、おもしろくもなんともない。最後の大石内蔵介の切腹にしてもカタルシスが足りないなど、不満の点は多々ある。

だが冒頭の江戸城登城シーンでは大勢のエキストラを惜しげもなくつかい、それらしい雰囲気を出し、討ち入りでは大規模なセットで敵味方入り乱れた斬り合いを迫力満点に魅せ、十分、時代劇映画として、堪能できる魅力があった。

千葉真一の一歩下がった演技もまあ、丁度よいくらいであったが、ただ、萬屋錦之介の大石内蔵介はちょっとミスキャストのような気がした。

(評価:★3)

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