[コメント] デトロイト(2017/米)
公権力による憎悪と暴力による恐怖を淡々と描いている。その分、本当に生々しくて怖い。半世紀前の事件だが、今でも似たようなニュースを耳にする。それだけに映画化する意義も大きいと思う。
これがギャング映画とか普通の犯罪映画なら、銃を突きつけられて反撃できないのかと思うこともある。
しかし実際に自分が銃を持った大勢の人間に囲まれ、しかもその人間たちはれっきとした警官でもあるのだ。
その彼らに大声で凄まれ、脅かされたなら、いったいどうする事ができるだろうか?言われた通りにし、相手の目を見ないようにするだけで精一杯ではないだろうか。そういうリアルな恐怖を感じさせ、腹の底から怖くなる映画だった。
しかもこの映画では相手は、「正義」という大義名分を掲げた公権力なのであり、この場さえ逃げ出せばいいとも思えない相手たちなのだ。
派手なアクションも過激な演出もなく、ただただ異常な緊張状態の中で暴力が徐々に暴走していく様を、抑えて描いた本作はその点で秀作だと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。