笠置町に住む顔見知りが出演しているとは聞いていたが、けっこう出番が多い役どころで最後のスタッフロールでもわりと初めの方に名前がクレジットされてて驚いた。

ヒロイン役の大場美和はボルダリング競技で東京五輪候補とも言われる本物のアスリートで、ＣＭ出演こそあるものの役者ではない。他にもいわゆるプロの俳優は数人しか出ておらず、大半は笠置町の住民がそのまま出演しているらしい。

ヒロインの父親役のおっさん（舞台あいさつでも仕切っていたが、本職は別にある一住民だそうな）など素人とは思えないという人もいたが、全体としては演技の自然さがどうこうというレベルではない映画ではあるのだが、出だしの空撮からの流れは本格的な映画らしかった。

余談だが、その空撮の行き着く先は小学生が地元の歴史を落語で語るシーンになっていた。実際に笠置町の小学校では、子どもに「落語」を教えて語らせるという「子ども落語」に取り組んでいるそうである。

それに自然の巨岩に身体一つでしがみついてよじ登るってのは映画らしくて良い。そういえば『ＭＩ?』の出だしでトム・クルーズも高い岩山をよじ登っていたなあ。さすがにあれとは比べようもないが、この競技と映画との相性はいいのかも知れない。