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[コメント] スターリンの葬送狂騒曲(2017/仏=英=ベルギー=カナダ)

有力登場人物が出てくる度にかかる大仰なBGMが個人的にはツボにはまった。次々出てくる個人名についていけない面はあるが、独裁権力者を風刺し笑いモノにする姿勢は好ましい。
シーチキン

スターリン下のソ連では、あらゆるレベルのまともな会議も開かれることなくスターリンの言葉と意思のみがすべての基準になって、信じ難い膨大な粛清=処刑が行われた、文字通りの恐怖政治だったらしいが、その一端が皮肉な風刺と笑いの中にも伝わってくるのは立派。

この点で冒頭のラジオコンサートをめぐる顛末はこの映画がどういう映画であるかを最初に、端的に示したものとして秀逸で、つかみはバッチリということである。

後世を知る我々は、スターリン後の権力争いの勝者を知っているのだが、それでもフルシチョフとベリヤの争いは興味深くみれた。

絶対的な支配者がいなくなった後に、その目下の「共犯者」がどのような振る舞いに出るか、ありきたりではあるがその姿はやはり滑稽であり、それを滑稽なものとして描くことは喜劇の重要な役割の一つだと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)たろ[*] さなぎ[*]

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