[コメント] 武蔵-むさし-(2018/日)
ロケにこだわった画づくりはそれだけで本格時代劇の風格を感じさせる。また松平健の小次郎はかなり斬新な感じがして、下手すると武蔵よりも印象に残る。殺陣も悪くない。
世に知られた宮本武蔵〜本作では新免武蔵とし「宮本武蔵」という名は一度も出なかったが〜のエピソードを巧みに取り込みながら物語は進んでいく。主役の武蔵は、殺陣をやっている以外はワーワー叫んでいるだけ、という気がしないでもない。そしてそれよりも他の登場人物の描き方の方が独創的で良い。
特に巌流・小次郎と、澤村大学目黒祐樹(余談だがエンドロールを観るまで松方弘樹だと思い込んでいた。年をとってますますそっくりになってきた観があるなあ)は、主役級と言ってよい。
とりわけ大学が、小次郎と武蔵の決闘を予測してみせる殺陣は、これぞ剣豪、剣術者という風格があって本作の白眉となっている。
三上康雄監督の前作『蠢動』ではBGMは太鼓のみだったが、本作ではBGMは三味線だけとなった。こういうシンプルなこだわりも、いかにも本格時代劇らしさを感じさせる。ちょっと物足りないものはあるが、観て良かったと言える時代劇映画だった。
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