[コメント] この世界に残されて(2019/ハンガリー)
背景は激動の時代だが、映画ではそれをかすかに感じさせる程度にとどめている。その分、リアルさと、市井の暮らしのささやかな喜びの大切さをしみじみと感じさせる。
誰かと一緒にいることで得られるちいさな幸せを、丁寧に描いて好感がもてる。
本作は第2次大戦後の1948年からの3年くらいと、1953年3月のスターリン死去の時期で終わる。
史実では旧ソ連の軍事介入によって、国民に選ばれた政権が倒され傀儡政権が樹立される、俗にいう「ハンガリー動乱」は1956年だから、実はその前夜を描いている。
本作の所々に散見される旧ソ連共産党への彼らの言いようと、ラストのささやかなパーティーでの幸せ、そしてやがて訪れる「ハンガリー動乱」。これらを踏まえて観ると、ささやかな幸せの意義が心をうつ。
※「ハンガリー動乱」については『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』のあらすじ解説欄に少し紹介しているので、興味のある方はお読みください。
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