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[コメント] 闇の狩人(1979/日)

原作の渋い雰囲気に比べると、いささか派手に血しぶきが飛びすぎている気がしないでもない。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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それでも、仕掛人・谷川原田芳雄が、寺に集結する北前藩の侍たちの中へ切り込むシーンは、かつてない迫力と臨場感があった。

入ってすぐの間で、部屋の上方に目をやり、高さなどを確かめると、おもむろに大刀を抜き、畳に突き刺す。そして、脇差を抜いて一気に踏み込み、狭い室内で思うように大刀を扱えない相手を次々と倒していく。そして、斬り合いの後半は、畳に刺した大刀を再び手にして、残った相手と切り結ぶ。

この辺のリアリティは最近では『たそがれ清兵衛』でも演出されたが、こちらの方が、血しぶきが派手な分だけ迫力があった。

後、ラストの千葉真一仲代達矢の決闘では、さすがに千葉真一の弓矢の扱いが様になっているだけでなく、仲代に射掛けた矢の迫力にはびっくり。

矢の飛んでいく軌跡が見えて、すごい撮影方法であった。また、脇役に、大滝秀治成田三樹夫東野英治郎丹波哲郎など大物スターが目白押しで、それだけでも十分楽しめた。

あと、火事のシーンでは大勢のエキストラをつかって逃げる人々を写していたが、こういう何げない所にも、時代劇に対するこだわりと製作姿勢が感じられた。この辺が昨今の時代劇が最もなくしてしまったものの一つだろう。

(評価:★3)

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