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[コメント] 幕末太陽傳(1957/日)

フランキー堺が輝いている。ひょいっと羽織を羽織る所作といい、軽妙な掛け合いで、世の中をすいすい泳いでいく身の軽さと、その裏側にある病への言いようのない不安。それらを一身に背負い表わして、何とも憎めない。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







当時の遊郭をかなりリアルに再現していて、何ともまあ、賑やかにエネルギッシュで、フランキー堺の芸だけでも一見の価値がある映画だった。

これだけやられると、「なんだこいつは。ヘラヘラしやがって。調子に乗りすぎだぞ」となりそうなものだが、そういったやっかみ半分の気分が、コホコホッという、ヘンな咳のせいで、すっ飛んでいるのだから、たいしたものだ。

ただ、ヘンな咳をしながらもフランキー堺は、ラストまで元気いっぱいで、走って逃げ出しているのだから、何もかも計算づくかあ、と疑えなくもない。ただ、この疑問がなんとなくいい余韻になっているだから、すごい。

これに比べれば、石原裕次郎なんてのは、ただただカッコつけてるだけの不器用な役者に過ぎない。むしろ高杉晋作という役柄に救われているくらいだ。まあそれだけフランキー堺が光っていた、ということだろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)3WA.C[*] モモ★ラッチ[*] 三郎[*] ジャイアント白田[*] 水那岐[*]

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