[コメント] 不毛地帯(1976/日)
シビアな迫力は、見応えもあるし、大勢の出演者の個性をよく生かした演出は、ピタリとはまっていて、この点では山本薩夫監督の役者の「使い方」の上手さを感じさせる。
学生時代に、当時の中曽根首相のブレーンといわれた伊藤忠商事の瀬島龍三が、この映画のモデルという話を小耳にはさんで以来、見たいと思っていたが、大阪は高槻松竹セントラルの山崎豊子特集上映でかかり、今回その念願がかなった。
これもいかにも山本薩夫監督らしい政治批判、60年安保などを取り上げつつも、主要には次期主力戦闘機導入をめぐる大手商社間の、政界を巻き込んだ暗闘を描いている。
だが、映画としてみると、予算の関係か、やたらとセット撮影が多くて、しかもその窓の背景が手書きの絵だったりで、チャチなセットが、興をそいだことはいなめない。
この点が残念だったが、骨太の人間ドラマや、いかにも皮肉な結末も存分に堪能できる一本であった。
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