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[コメント] ドラゴン・イン(1992/香港)

狐と狸の化かし合いの様な宿屋のやりとりは、白々しいとわかっていても妙な面白さがあった。こういうシーンをきちんと撮れるというのは、俳優や監督などに基本的な力量がちゃんと備わっている、ということの証でもある。
シーチキン

剣戟シーンはアクションとしては面白かった。スピーディでこれはこれでよかった、と思うのだが、やはり日本人が好む殺陣とは根本的に違うなあと感じさせもした。

その最大の違いは、スピード感ではない。

一般的に格闘技のセオリーは「先手必勝」であり、その例外はごくわずかだが、日本の殺陣には「先手必勝」だけでなく、それと同じ比重を占めるのに「後の先」というのがある。

「後の先」…つまり相手が動くのを待って、その動きの裏をかく形で技を決める、という考えである。だから日本の殺陣では、やたら動いたりしないで、最初のうちは互いに構えを固めてじっとにらみ合うことが多い。

しかし「先手必勝」を旨とするならば、ともかく先に攻める、となるからこの映画のように派手に動き回るシーンが多くなるんだろうなあ、と思った次第である。

あと、最後に出てきた包丁人の技は、やはり凄かったなあ。あれだけは、日本ではちょっと発想すらできない技ではないだろうか。

(評価:★3)

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