最初の設定では、「魔神の山」には、もともと魔神がいて、その魔神を封じるために、「魔神封じ」の祈りとか儀式があったり、また山の中に武人像が設置してあるわけですよね。

つまり、あの武人像は「魔神」を封じ込めるためのものであって、なら誰が魔神を封じたのか。ひょっとしたら昔の徳の高い坊さんとかの人間かもしれないけど、武人像にたがねを打ち込むと神の怒りがあったから、神が封じたのでしょう。

だからあの武人像は、あくまで「魔神」ではなく「魔神」を封じた「神」の姿、といえるんじゃないでしょうか。

でもあの武人像の顔が変わって、怒りの鉄槌を下したのだが、それは果たして「神」の鉄槌、ということなのだろうか。もし、あれが神ならば、その間、武人像によって封じられていた「魔神」は何処へ行ったのだろうか。

それとも武人像に不埒な行いをした人間に、神が怒って、武人像による封じを緩めて、魔神に武人像という身体を与えた、ということなんだろうか。だから、タイトルが「魔神」でなく「大魔神」になっているのだろうか。つまり「神」＋「魔神」＝「大魔神」ということで。

こういうちょっとした疑問がある方が、実は印象深い映画になるんだよね。実際、続編はもうストレートに武人像＝大魔神、となっているからなあ。