だってさ、

自分らの都合で亡命をあおっといてあっさり見捨てる非情さは、なんだかんだいっても、スパイの成長には必要なんだといわんばかりで肯定されてるし、

無関係な市民を何十人も巻き込んだ、爆弾テロをしかけたＣＩＡを、それとして描きながらなんの批判もないし、

よくよく考えれば、余所の国の刑務所に特殊部隊を送り込んで、無理矢理そこの囚人を脱獄させたり、

もっといえば、部下の恋人を密告して売り飛ばしておいて、素知らぬ顔して助けるなんてね．．．

ヒドイ話じゃないか。

同じレッドフォード主演でも、荒唐無稽ながら反権力の匂いを漂わせた『スニーカーズ』や、ＣＩＡの謀略性、非人間性を鋭くえぐりだした『コンドル』とかと比べると、その辺の一山幾らのお手盛りスパイものと同じ水準でさ、鮮烈な印象に欠けるんだよねぇ〜。