[コメント] ノー・マンズ・ランド(2001/伊=英=ベルギー=仏=スロベニア)
戦争のこういう描き方が、一番、映画にふさわしいのかもしれない。少なくとも、これ見よがしな残虐なシーンや悲劇だけをもってくるしか能のない、ドキュメンタリーにも映画にもなりきれないようなモノとは、明らかに一線を画している。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ボスニア紛争を扱った映画だが、登場人物がそれぞれを代表する人物として、現在のボスニア紛争の実相をけっこう鋭く告発しているように思えた。
特に塹壕にいる3人の兵士の描き方は秀逸。脚本の力を感じさせる。
どちらが仕掛けたのか、わけもよくわからないまま憎しみあう。そしてそれを遠くから眺めているだけでしかなかった国連防護軍とマスコミ。
「殺戮の前では中立はない。傍観は加勢と同じだ」と、やむにやまれず行動を起こした国連軍のメンバーも、結局なす術もなく撤退せざる得ない。
後に残されたのはなにか。。。
また脚本だけでなく、映像にもていねいに気を配っているように感じられた。この点でも優れた映画といえる。
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