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[コメント] ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米)

今回も、とても普遍的な人間の嫌な部分をしつこく見せられた気がする。しかし後味は悪くない。それは同監督の前作(とこの作は陰陽の関係にある気も)と異なり、主人公が自己完結しないある判断を明確に示したからだろう。つまり、→
ツベルクリン

**ネタバレ注意**
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村の人々は言うなれば思考の停止状態。薄っぺらい哲学者気取りのあの青年(彼が一番ムカついた)も含めて。そしてそれはたぶんあの国を表象して……いない?じゃ、主人公は?実は彼女もまた凝り固まったあの国らしい思考の持ち主なのだ。許すことも傲慢、殺すことも罪?だったら殺す方で。自分が殺されるよりは。 そういう判断。 そしてそれは圧倒的な権力という背景を手にしてのことなのだ。理屈は「世界を少しでもよくするため」。 そうして作品自体が投げ出され、それをどう思うか、今度は観客による「判断」を求めている。今回も「告発」の役を担う作品として立ち上がっている。

本当はあまり「アメリカ」を意識して見ないほうがいいのかもしれないけど。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ねこすけ[*]

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