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[コメント] 1408号室(2007/米)

分かりやすい話なのは、嫌いじゃない。
ツベルクリン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あらすじにちょっと文句をつければ、彼は「霊など心底では信じていない」のではなく、ずっと「人は死ぬものよ」という現実に向き合わずにいたので、「霊などいない」=「死など身近にはない」ということを無理に自分に信じ込ませようとしてきたのだ。それほど彼にとって愛する娘の死は辛いものであり、それを受け入れるということは取りも直さず自分も含めて「人は死ぬものだ」という現実を受け入れることだった。それは恐怖であり、誰にもどうしようもないという意味で究極の孤独である。それを1408号室に閉じ込められる恐怖と孤独によって描いたということで、娘の「二度目の死」を体験した後で自ら部屋に火をつけるという形で「死」の恐怖を自らに課し、それを乗り越えようとし、さらに娘の死を妻のせいにする(これも現実逃避だ)ことなく彼女ときちんと話す決心をするということで、彼は初めて部屋を出ることが可能になったのだ。むしろ「チェックアウト」こそが死を意味したのだろう。

確かに「シャイニング」なんかに比べれば弱いけれども、そんなに嫌いではない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)赤い戦車[*]

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