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[コメント] レイチェルの結婚(2008/米)

向田邦子的な怖さ。家族の軋轢の原因が明らかになるにつれ、妹は父母・姉に深層では本気で憎まれており、同時に愛されていることが分かってくる。それをセリフでもわざとらしい演技でもなく、空気感で描ききる凄み。この家族に一番必要なのは時間の流れだ。
ツベルクリン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







父親は曖昧な態度を好きで取っているのではない。ああするしかないのである。息子を死に至らしめた娘を本気で罰することも一つの道かもしれないが、憎しみと愛とを揺れる父にそれは無理な相談。それが家族の複雑さだろう。そういったことを監督・脚本家はよく知っている。この家族に一番必要なのは時間の流れ。もちろん、それでも家族の完全な和解などありえない。そういう意味で、ラストは十分に納得のいくものだった。

手持ちカメラはそれほど気にならなかった。カメラの視点は誰のものか?という点に関して、宇多丸の解釈には泣いた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

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