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[コメント] モーターサイクル・ダイアリーズ(2004/米=独=英=アルゼンチン)

変わりようもないかのような南米の民衆の窮状と、ちゃっちゃかちゃっちゃか進む二人の旅のシーン。
ロープブレーク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あまりにテンポがいいというか、もう一つ一つのエピソードが「投げっぱなしジャーマン」(プロレス用語で相手の受け身を無視するかのように放り投げる投げ技のこと)のようにぶつ切れで次のシーン(旅地)に進んでいくんですね。エピソードとしては、困窮とラテンのリビドー全開ってのが交互に来て飽きさせない。で、ずんずんずんずん北上していくわけですが、まあ行く先行く先で出会う現地の人の窮状は変わらないというか。そのことでゲバラの言う「一つの南米」が説得力を持ってきます。と、同時にこのあまりの変わらなさに南米を一つにするような革命は無理だろうなとも思わせ、理想に殉死することになるその後のゲバラを暗示させます。見終わったあと、もっとゲバラについて知りたくなる、それがこの映画の目的なら、私には十分届きました。

以下蛇足ですがもうひとつ。この映画なにげに音響が凄くいいです。これぞ映画の音という感じ。音響だけでも映画してます。逆に言うと、TVの音声だけで見ると映画のスケールが出てこないように思えます。私も最初TVの音声だけで見ていたのですが、音声を外部出力にしたら印象が一変しました。映画館以外で映画鑑賞する際の観る側のちょっとした努力を問う作品でもあるようです。

(評価:★4)

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