[コメント] 鋼鉄の雨(2017/韓国)
その国でしか作ることができない映画であることを傑作の条件とするのなら、本作は紛れもない傑作だと言い切ることができよう。
政治ドラマ、アクション、SF、人情、友情、文化・風俗こういった要素をコテコテに満たした、にんにく、野菜、あぶらマシマシのラーメン二郎のような映画だった。
そして、作者は映画制作にあたり、自己のイデオロギーを隠そうともしていない。「カラメ」もマシマシだ。この臆面も無い映画作りは、韓国映画だから許されるのだろう。
この映画の放つメッセージを、評価の要素とするのは野暮というものだ。この映画は野暮を承知で、その野暮さを武器に観るものに豪腕速球タイマン勝負を挑んでいるのだ。
映画の力を信じ切っているのではなく、手もとに映画しかないからそれをつかんでそれに賭けた、そんな映画バカの作品は、熱いうちに食ってしまうしかないだろう。さめてのびきったラーメン二郎は地獄である。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。