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[コメント] アリゾナ・ドリーム(1992/仏)

夢追い人には二種類あるのだということを、私は学んだ。そして、
ロープブレーク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私はこの映画を見て以来、自分の妄想を実現するために私やその他の人をを巻き込もうとするはた迷惑な御人をアリゾナ・ドリーマーと呼んで、アメリカン・ドリーマーとは区別することにしている。確かな根拠と時代を見る目に基づき、自分の夢で他人にも幸せを分配できるのがアメリカン・ドリームであってほしいと思うから。

エレインの見る夢はアメリカン・ドリームではない。

アメリカン・ドリームは、事実性に基づく夢だ。だから現実に大金を手にすることができるし、時代に取り残されれば、夢はしぼみ金は消える。

一方、アリゾナ・ドリームは、妄想が紡ぐ夢だ。だから時代とは関係が無く、現実とは齟齬を来たす。しかし人は現実にしか生きられない、妄想に生きるアリゾナドリーマーを除いては。ゆえにアリゾナ・ドリームに巻き込まれた人は巻き込んだ人の妄想にあてられて破滅する。これは道理である。

人は、他人の夢を見ることはできない。だから人の夢を間借りしていては自分の夢は実現できない。

であれば、夢無く生きるよりも、他人の夢に踊らされるよりも、自分の夢を生きる人生でありたい。それがいつかはしぼむアメリカンドリームであったとしても。

まして、他人のアリゾナ・ドリームに巻き込まれて破滅するのは、避けるのが賢明なのではあるまいか。

痛恨たる自戒、そしていささか以上の後悔をこめて。

(評価:★4)

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