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[コメント] 劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇(2013/日)

ギャグとシリアス、生と死。その描き方の失態。
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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この映画は、大変な失態を犯した。

ドラマ版から通して『SPEC』という作品は軽快なギャグシーンが持ち味で大勢のファンを獲得したことは理解した。私個人的にはこのノリは苦手だが、程良く使えば作品のスパイスとなるだろう。

また、ギャグと対比することでシリアスシーンに深みを与えることもわかる。

吉川(北村一輝)は前作(だったかスペシャルドラマだったかは記憶が定かではないが)ラストで、ミイラ化して死亡した。でも、今作でお湯をかけて揉んで3分待ったら生き返った。この生き返りのくだりはこの作品お得意のギャグパートだろう。

野々村(雷隆太)は今作ラスト付近で死亡した。野々村の死を部下たちが痛み悲しむシーンをかなり時間を取って描いた。ここが、ギャグと対比することで深みを持たせるシリアスパート。

でも、誰かが疑うだろう、「次で野々村も生き返るんじゃね?」と。

「死んで生き返る」という描写をギャグテイストで軽く描いてしまったために、野々村の死が軽んじられて深みが無くなってしまった。

それでなくても「死んだはずの〇〇がまた登場」「消したはずの力が復活」と、いろんな設定が無かったことにされてたり、これまでも人間(や、スペックホルダー)の死を軽く扱ってきた作品だ。

「時間を長く取って皆で嘆き悲しんだからこの死は本当ですよ」ってことにはならないよ。

(評価:★2)

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