コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 恐竜100万年(1966/英=米)

現実には恐竜と人間が共存していた時代なんて無かったのだからリアリティというのはおかしいが、それでも「きっとこんなだったんだろうな、リアルだな」と、遠い原始時代に思いを馳せることが出来る作品。・・・ただし前半のみ。
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品、前半の調子でラストまで続いてくれたなら諸手を挙げて「大傑作!」と叫んでいただろうに。

中盤のルアナ登場以降、どうもリアリティが欠けているように感じた(と言っても、リアルでこの世界はあり得ないんだからリアリティもへったくれも無いのだが)。

トゥマフら山の部族は、実に魅力的だった。穴に落ちた老人はあっさり見捨て、強い者から順に肉をむさぼり喰い、一片の肉のために殺し合いをし、パートナーを失った女性をさっさと犯して自分のものにする。そんな野蛮な原始人達が活き活きと輝いていた。

だが、ルアナ率いる海の部族が、現代的価値観を持つモラリスト揃いで、どうも「現実の原始人」らしさに欠ける。なんと言うか、彼らは現代人の目線なのだ。言葉を持たない時代の原始人は、「生と死」のみに固執してシビアで利己的で野蛮だったのではないだろうか。山の部族のように。

・・・と、実際には当時原始人がいるばすがないのに、こうして「海の部族はなんだか違うわよ!」なんて文句が出てしまうほど、この作品の持つ世界観にどっぷりと浸り、魅力にハマってしまったのだ。なので文句を言いつつも5点。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)kiona りゅうじん[*] sawa:38[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。