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[コメント] 羊たちの沈黙(1991/米)

(私的)映画史上に輝く金字塔。美しいとさえいえる作品。
terracotta

 最近見直してまた感激した。物語の始まり、レクターとの出会い、そして犯人を追い詰めるまでがすばらしいテンポと完成度をもって描かれていると感じる。映画を見終わった後の充足感がたっぷりで、これはなかなか味わえないものだ。

 今、頭のなかで思い浮かべてみると、クラリス、レクター以外の登場人物たちも名前こそ全部は覚えていないが鮮やかにその風貌、キャラクターなどが浮かび上がってくる。映画前編にわたって緻密にくみ上げられた細工のようでありながら、それを構成する人物たちの魅力が強烈に感じられる。

 中でもクラリスは、こんな言葉はクラリスには似合わないかもしれないが、「永遠のヒロイン」である。クラリスとともに私たちはレクターと対峙し、ミグズの悪戯を嫌悪し、据えた匂いのこもる息詰まる暗闇の中で銃を構えて犯人を追い詰めるのだ。

 また、犯人像がよく描かれているのも、この映画の魅力のひとつだと思う。プロファイラーが出てくるのだから当然といえば当然だが、よく捜査側にのみスポットを当てた映画が多い。この映画では犯人の性癖、正確、狡猾さ(すばらしく頭がいいと思う)などが非常に良く描かれているので、見ているものが嫌悪感を感じる。そこがまたいい。

 この映画は幸せを描いているわけではない。しかし、この映画を見られたことは幸せである。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (12 人)サイモン64[*] カプリコーン デナ リア ザザッティ[*] ナム太郎[*] ina t3b[*] ナッシュ13[*] mimiうさぎ[*] らーふる当番[*] Pino☆[*]

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