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[コメント] ハート・ロッカー(2008/米)

「イラクにいる米兵爆弾処理班の映画をつくろう!でも2時間ずっと爆弾処理させるのも不自然だし・・・ストーリーはまぁ適当に引き伸ばして。。とにかく、爆弾処理のリアルさを撮りたいのよ、あたしゃ!」とでも言ってるかのよう。(ビグローが)65/100
たろ

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確かに女性監督が撮ったとは思えぬリアリズムと乾いた映像で凝った演出の映画である。38日間という、命の危険にさらされ続けるには気の遠くなるような任期の中、死を意識せねばならぬ爆弾処理班に、その「真逆」の男が現れる。この設定は、非常にいいと思う。他の戦争映画でもあった通り、テーマを描くにはいい題材だ。

しかしながら、リアリズムに徹底するあまり「爆弾処理班」というポジションもレイフ・ファインズが出てきたあたりからもはや関係なくなり、何を描きたいのか理解できない迷走を結局ラストまで続けることになる。残念なのはここだ。ビグローは映画のテーマを投げ捨ててしまってるのだ。目の前に餌を出されてお座りして待ったのに、最終的に餌をもらえなかった犬の気分。

故郷に帰ったジェームズが、妻に戦地の話をしても軽く流されたりするシーンは彼が「戦争ジャンキー」になった理由が分かるシーンであるが説得力としては不足。このような反戦メッセージをしたいなら『告発のとき』の方が格段に上かな。

これが何でアカデミー賞とったのか謎だが、アメリカ人には痛恨の映画だったんだろうか。ブッシュに観せてやれ

65/100

(評価:★3)

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