どうもクリストファー・ノーラン監督の作品とは相性が悪いらしい。SFなので、現実ばなれした設定があるのはいいのだが、それ以前に人間自身の行動がおかしすぎないか？

違法だと知りながら犯罪集団に加担する設計士、自分が国に帰りたいがために仲間を道連れにする主人公、ターゲットを調査する上で一番重要なハズの「潜在意識を武装化してるか否か」を見事に調べ流す仲間、銃を握った事なさそうな企業戦士や調合士をメンバーとして夢の世界へ連れ込み、防衛軍と戦わせる…など。いくらなんでも酷い。自分がクルーの立場だったら、元の世界に戻った瞬間にキレる。物語を運ぶために人が動いてるようで、血が通ってない。唯一、コブ夫婦は物語がちゃんとしていて、ツッコミどころあれど、夢の世界という設定は充分活かされていたのではないだろうか。このパートとラストの余韻で保ってるような一本。文句ばっかりだが、嫌いではない。