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[コメント] アンナと王様(1999/米)

ラブロマンスに対しての偏見があっても大丈夫。
くらん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラブロマンスに対して斜に構えながら観た作品。不覚にもめちゃめちゃ集中して観てしまいました。

映像がもう別世界。豪華さに目を奪われ、登場人物の魅力にがんじがらめ。

それぞれの立場をほぼ乗り越えないあたりがリアリティで、私的には好感触。ラブロマンスの苦手なところは、恋愛オンリーで「あなたがいれば何も要らない」的ノリ周囲に多大な迷惑をかけまくるのでついて行けない。アンナと王様は素直に感動。本当に好きなら何もかも捨てなくても精神愛で十分じゃん? わざわざ周囲を破壊つくさなくたって人は愛せるっしょ。どうしてラブロマンスは恋愛至上主義の特攻神風精神なのか……。不思議だ。

アンナにはアンナの立場と考えと宗教があるし、王様には王様の立場と考えと為政者としての責任がある。アンナの嘆願するシーンと王様のきっぱりとした拒絶が印象的でした。どっちが悪いとかではなく、立場や、考え方の差。それが結果として違う最適を導く。善悪では割りきれないことが確かに異文化交流にはありますね。

私はアンナと王様ながありがちな濡れ場に至らず、立場を尊重して、本人たちだけの自己満足の世界にはまらなかったことが良かった。アンナも王様も自分と自分を取り巻く環境ごと相手の事が愛せたのだろうと思います。

王様とアンナがあと10歳若かったら結果は違うでしょうが…。

(評価:★4)

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