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[コメント] 家(うち)へ帰ろう(2017/スペイン=アルゼンチン)

人はいくつになっても人生を学ぶことができる。しかも許すことを学ぶことができる。なんて美しいテーマなんだろうね。
イライザー7

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







旧友2人の美しい再会には涙を落とさずにはいられないのですが、それはドラマとしての終着点に過ぎません。

90を過ぎた頑固爺の「頑固」の理由は、冒頭のユダヤのダンスからもう明らか。ドイツもポーランドも口に出せないアブラハムの頑固さは、誰も否定することはできない。でもアブラハムは旅の中で変わるし、許す。ドイツを、ポーランドを、すべて許したわけではないだろうけど、でも、許す。

出てくる人がみんないい人(スペインの泥棒はともかく)。アブラハムを変えることになる3人の女性が、どの人も結構年かさの美女であるところがすばらしい。どの女性も、画面が進むにつれてどんどん美しくなる。(見えてくる?)もっとも、駅で出会うドイツ人女性は、ほかの登場人物と比べて記号的な人物像に過ぎる感があるが。

アブラハムは偏屈な頑固者ではあるのですが、根がラテンなので、人とコミュニケーションがとれて人と会話できるから、変わることもできる。

ただひとつ。マドリードの娘とのシークエンスだけがよくわからない。リア王がモチーフなのはわかるが(娘の名前!)、それがどうだっていうのか。娘のタトゥの意味はなんなのか。(ユダヤ人としての印?父の記憶の痕跡?…だとしてもなんか納得いかない。)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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