コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サマリア(2004/韓国)

援交についての言説は日本では消費されつくした感があるが、『サマリア』において焦点が当てられるのは、買う側の男たちと「父」の在りように寄る部分が大きい。
よだか

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







表向きの道徳の裏側に潜む男の抑圧的な視線を、扇情的に暴きたてた『悪い男』や『魚と寝る女』と通じるところはあるが、そのあたりのコントラストは『サマリア』においてはそう明らかなものでもなく、いまひとつピンと来なかった。

援交を家族の前で暴露されたくらいで即座に命を絶つものだろうか。性道徳のあり方を問う時、韓国のことはよく知らないが、日本に置き換えて考えた場合、これほどの軋轢のドラマを生む必然性、というものがない。

日本の「現実」における「悪」の不在は、キム・ギドクのスキャンダラスな「虚構」さえも印象の薄いものにしてしまう感すらある。個人的にはふたりの少女の在りように焦点をしぼって物語を展開してほしかった。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)リア[*] ペペロンチーノ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。