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煽尼采さんのコメント: 更新順

★4スカイ・クロラ(2008/日)押井守のミシマ化(?)。イカロスにして、シーシュポス、更にはオイディプス。父への反逆を、父として描く。 [review][投票(4)]
★3サマータイムマシンブルース(2005/日)これは、辻褄を合わせる為の編集作業に奮闘する、‘映画部’の活動記録である――なんて考えれば、成る程、舞台作品から映画化した意味はあった。上野樹里の、夏みかんのような存在感。テキトーな感じのするタイトルも、実はイイ味を醸してくれる。 [review][投票(2)]
★3冒険者たち(1967/仏)少し言い難いけど、この作品の宝石的存在であるレティシアの事が、好きになり切れない。尤も、彼女は鉄と海のポエジーとして要請された存在なのだろう。それと、単細胞気味なレオス・カラックスは、この映画で爆破シーンの詩的な演出を学んだら良いと思う。 [review][投票(3)]
★4エイリアン2(1986/米)エイリアンとの闘いを通して、人間性という外皮を破って内から現れる、生物としての本能。我々の内なるエイリアン。複数形の‘Aliens’には、ヒト自身も含み込まれているのではないかとさえ感じさせられる。(終盤について→) [review][投票(3)]
★4時をかける少女(2006/日)テーマは、過去の修復――から、時間の共有へ。芳山和子(大林版ヒロイン)の職業。キャッチボール。衝突や転倒の危険を孕みながら突っ走るヒロインの、身勝手と純粋、つまりは青春。 [review][投票(10)]
★3ロッキー(1976/米)アメリカン・ドリームへの、アイロニカルな郷愁?もっと寡黙で脳味噌が筋肉な映画かと思っていたら、肉体よりも言葉が優先された内容。ロッキーが肉体を酷使している場面より、喋くっている場面の方が長い。 [review][投票(1)]
★3アイ・アム・レジェンド(2007/米)無人島的状況に陥った男の、ナルシシズム的倒錯を描いた映画、という角度でも観られる。有るべき心理描写が無く、意味不明に見える言動が有る点は、この角度から見れば一応は納得の範囲内、かなと。 [review][投票(5)]
★2H story(2001/日)悪い意味で、映画の限界に行ってしまった映画。辛うじて映画たり得る境界から滑り落ちかけた様を映画として提示するという傲慢。 [review][投票]
★3二十四時間の情事(1959/仏)痕跡は、記憶ではない。知り得ない事を知り、想像できない事を想像する義務としてのヒロシマ。何者にも所有され得ないものとしての固有名詞。 [review][投票]
★3スパイダーマン3(2007/米)崩れゆくものを必死につなぎとめるという事。サンドマンの事だけを言っているのではない。テーマである‘報復’と‘赦し’の両方に関わる事だ。 [review][投票(3)]
★3キサラギ(2007/日)鑑賞中には事の真相について考え、鑑賞後は‘アイドル’との関係性について考えた。 [review][投票]
★3フライトプラン(2005/米)宙に浮かぶ密室の中の、複数の密室。密室の中の人間の、心理という密室。 [review][投票(1)]
★3イグジステンズ(1999/英=カナダ)銃やゲームポッドのデザインは、この監督しか考えつかないような奇抜さ&気色悪さ(&可笑しさ)。だが、そこに込められた暗喩を見れば、同年作の『マトリックス』より哲学的だ。 [review][投票(4)]
★3ダイ・ハード4.0(2007/米)ダイ・ハード9.11、或いは危険のインフレーション。9.11以後のアメリカを風刺しているようでいて、マクレーンの好戦的マッチョ主義はかつて無いほど単純明快。 [review][投票(2)]
★3ポーラX(1999/日=スイス=独=仏)恋愛を戦争や災害のように描かせたら、レオス・カラックスの右に出る者は恐らくいないだろう。闇と光と破壊音。だが、瞬間的な詩興の爆発に頼りすぎ、若気の至りの‘絶望’‘孤独’が自己目的化した作風には正直、辟易。 [review][投票]
★3春の雪(2005/日)美しい映像の流れを追うだけで、音楽を味わうように心地好く、二時間半を飽きずに済む。物語の節々での清顕の心理を表情で見せた妻夫木聡、清楚な振舞いの内に閃く意志の強さが色気を発する竹内結子、共に予想以上に良し。 [review][投票]
★3容疑者 室井慎次(2005/日)学園祭的なお祭感と、お子様ランチ的なカラフルさの『交渉人 真下正義』とは対照的な、大人風味。色に喩えるならブラウン。地味。だが、僕の好きな『踊る』のエッセンスは、むしろこちら。 [review][投票(2)]
★3生きる(1952/日)まるで絶望の暗い沼から顔を覗かせる巨大魚のような志村の眼差し。死の予兆に喉を絞められているような声が、聞いているだけでしんどい…。名作と言えば名作だけど、違和感を覚えた点も。 [review][投票(5)]
★3サッド ヴァケイション(2007/日)だが、この爽やかさ、明朗さが、嫌だ。この嫌さは、<母>の冷酷な包容力ではなく、映画のミニチュア的な作り物感に由来する。肝心な所を伝えきってサーガを閉じたかったのか、終盤、台詞が妙に説明的。 [review][投票(4)]
★4マン・オン・ザ・ムーン(1999/米)ジョークと現実の境界線をギリギリまで侵犯する、その予測不可能性からこそ生じる‘リアル’。笑って良いのか緊迫するべきなのか、一瞬一瞬で問われる観客は、単なる傍観者ではいられない。 [review][投票]