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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★2アマルフィ 女神の報酬(2009/日)前作『容疑者Xの献身』で見せた演出の切れ味が今回は鈍い。イタリアという大舞台が手に余ったか。近所の弁当屋に歩いて通う卑近な舞台こそ西谷弘の本領か。単なる観光映画では仕方ないのだが、観光映画になり得ていないのが、実はプロット上も問題あり。 [review][投票(2)]
★3ペイルライダー(1985/米)西部劇のヒーローに最も不似合いな格好をした主人公。血湧き肉躍るアクションではなく、そのイメージの残像としての西部劇。 [review][投票(2)]
★2インスタント沼(2009/日)気のせいか、冒頭シークェンスに象徴的なように、いつになく情報量が多い仕上がりに思える。詰め込みすぎで、さり気なさを装いつつ充分狙われた感のあるギャグの殆どが笑えない。麻生久美子のキュートさに救われる反面、アイドル映画的レベルの停滞感。 [review][投票(2)]
★3デュエリスト 決闘者(1977/英)相手を探し出し、抹殺すること。この点、続く『エイリアン』や『ブレードランナー』と同一主題の作品とも言える。プロットは単純極まるが、無駄なくきびきびした時間処理や、絵画のように美麗な画面、刃の立てる重い音など、全篇に満ちた緊迫感が堪らない。 [review][投票(2)]
★4ハゲタカ(2009/日)ドラマのファンとして贔屓目に見てしまう面はあるが、ドラマを観ていたからこそ、鷲津の心情が伝わりにくい演出には不満。ドラマではウェットな部分は芝野が担っていたが、今回は劉が殆ど全部持っていってしまった観がある。 [review][投票(2)]
★4サイン(2002/米)「神」への、「物語」への、「家族」への信頼。即ち、この世界に約束された調和への信仰。それを得るためのサイン。 [review][投票(2)]
★3その土曜日、7時58分(2007/米=英)異なる視点、時系列を交錯させた構成は、ミステリーとして旨みを出す為ではなく、男たちの陰鬱さが互いに重なり合うことで悲惨さが少しずつ上乗せされていく効果が狙われていたのだろう。 [review][投票(2)]
★4コララインとボタンの魔女(2009/米)3D特有の物の実在感は、数々の小道具が鍵となる本作には効果的。更には、コララインとの空間の共有感覚。こうした所に3Dの可能性がある。「飛び出すビックリ映像」風のお遊びはティム・バートンにでも任せておけばいい。[3D(RealD)/吹替] [review][投票(2)]
★3トゥルー・クライム(1999/米)「True Crime」とは何か。刑事事件の真相としての「真実の犯罪」は表面にすぎない。 [review][投票(2)]
★3休暇(2007/日)ワンカットに漲る無言の緊張感。カットの繋ぎ方にもそれが感じられる。それだけに、その中に綻びのようにして、徹底さを欠いた部分が見られるのが惜しい。だが、死刑制度を他人事として捉えている観客を撃つ厳粛さと、生の一種の残酷さの描写には唸らされる。 [review][投票(2)]
★2落下の王国(2006/インド=米=英)脚本の空疎さをシュール&ビューティの極致で埋めた力業『ザ・セル』とは逆に、映画としての結構を保つシーンの数々を、幻想シーンの陳腐さが砂漠の蟻地獄のように呑み込む悲惨。この作品がイメージとして示した映画観は素晴らしいだけに、何とも惜しい。 [review][投票(2)]
★3ファニーゲーム U.S.A.(2007/米=仏=英=オーストリア=独=伊)手袋越しの握手。レンズ越しの暴力。その、清潔さの醜悪さ。 [review][投票(2)]
★4暴力脱獄(1967/米)まるでポール・ニューマンセガールばりの格闘を披露するかのような邦題に相反して、概ね囚人の生活を淡々と描いたタッチが好印象。平穏とさえ思える日常に潜む足枷に徐々に抗いゆく主人公。 [review][投票(2)]
★4鬼畜(1977/日)反復される愉しげな旋律が、むしろ呪いのように聞こえ、まだ何も起こっていない冒頭から既に、何やら不穏かつ凄絶な空気が立ち昇る。 [review][投票(2)]
★4チェ 39歳 別れの手紙(2008/米=仏=スペイン)革命という言葉の華々しさとはまるで無縁の、鬱な行軍。だが、この徹底的に無感動にも見える、砂を噛むような虚しさにこそ、むしろ胸が打たれる。 [review][投票(2)]
★4パンドラの匣(2009/日)竹さん(川上未映子)の、地に足のついた貫禄と、神秘的な不安定さという相反する魅力の両立と、マア坊(仲里依紗)の、天真爛漫であるが故の扇情性。道場の面々は、年齢性格様々なれど、不確定な死を一様に抱えることによる連帯感を感じさせる。 [review][投票(2)]
★3ターミナル(2004/米)alien(異邦人・異星人)をどう迎えるかという物語であり、『E.T.』や『未知との遭遇』と同系列と言えなくもない。ガラスで隔てられた空間としての空港。手が届きそうに近くに見えるものに触れられないもどかしさを、セットが空間的に演出している。 [review][投票(2)]
★3イージー・ライダー(1969/米)アメリカの縁、メキシコ国境から始まる、アメリカの「自由」のボーダーラインを巡る映画。地上では為し得ない境界越えとしての、宗教的なるもの。天から射し込む強烈な日光による六角形のレンズフレアは、その暗喩だ。 [review][投票(2)]
★3もののけ姫(1997/日)アニメ的演技を排した石田ゆり子田中裕子の慎ましすぎる演技はむしろ、アニメの平面性に肉付けするどころか逆効果。ナウシカにあった「哀しみ」という前提が希薄な、暴力の解放は、アニメの運動性に寄与する半面、劇的抑揚に欠ける。 [review][投票(2)]
★4セックス・アンド・ザ・シティ(2008/米)個性の異なる女四人が、時に喧嘩もしながら、却ってそれを通して新たな覚醒を得る。ドラマそのままのSATC。だが、二時間超を一気に観せる映画の特性を活かし、予め張られた伏線を回収するまでに長い時間を置く構成によって、より大きなドラマを描いてもいる。 [review][投票(2)]