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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★3山のあなた 徳市の恋(2008/日)按摩と女』を悉く記憶している訳では勿論ないが、ほぼ完コピに近い印象。パステル調に抑えながらも鮮やかな色調には、カラー化されたモノクロ映像のような美しさを感じる。山の緑が目に沁みる……。ただ、控えめなようでいてやはり音楽が前に出すぎ。 [review][投票(1)]
★3フル・モンティ(1997/英)失業のみならず、「体を品定めして楽しむ」事の男女逆転にも気落ちするオヤジらの脱ぎは、自身を縛っていた空虚な「男のプライド」を脱ぎ捨てる事の苦行と、その先の解放感へと向かう行為。「脱ぐしかない」と「むしろ脱ぎたい」のせめぎ合いと交錯のドラマ。 [review][投票(1)]
★3ネバーランド(2004/英=米)前半はかなり退屈な出来だが、蓄積されていった感情が後半で活かされていく。映画からの、演劇の「貧しさ」への讃歌。 [review][投票(1)]
★3ブレス(2007/韓国)言葉や‘息’の扱い方、四季の届け方など、発想は巧いが、それらが充分に映画的な旨みが出るほどに展開し得ていないのが惜しい。中盤では既に退屈になりかけているし、終盤は収まるべき所に大人しく収まった観がある。 [review][投票(1)]
★4青いパパイヤの香り(1993/仏=ベトナム)官能。大抵は空疎な常套句でしかない「五感に訴える」という表現がぴたりと当て嵌まる、希有な映画。 [review][投票(1)]
★3虹の女神(2006/日)失われゆくレア・アイテムとしてのフィルムと、世界の終焉というヴィジョンとのアナロジー。身近なるものへのノスタルジーとしての「映画」。 [review][投票(1)]
★3人のセックスを笑うな(2007/日)高橋源一郎が称賛し松浦寿輝が罵倒した原作は「布団の国のお姫様と王様の気分で眠った」まで読んだ。スカした稚拙な文体が鼻につく原作のダラダラ感に倣っているようでいてこの映画、日常を淡々と捉えるミニマムさが却って予測不能性を生じさせる。 [review][投票(1)]
★3レイクサイドマーダーケース(2004/日)タイトルバックで既に駄作臭が。ドキュメンタリータッチでもないのに、単語が聞きとれなかったり、つっかえた台詞や、カメラの急速で不自然な動きが放置されているのも変。凝ったつもりの瞬間的なショットの挿入は効果薄。スローモーションの使い方も通俗的。 [review][投票(1)]
★3風が吹くとき(1986/英)夫婦の戯画化された小市民っぷりは、素朴というよりロボット的。微笑ましい平穏な日常と戦争の対比が恐ろしいというより、国民としての義務感に盲目的に従いつつ、殆どゴリ押しのように日常生活を営み続ける機械的な頑なさが恐ろしい。この夫婦はゾンビだ。 [review][投票(1)]
★2ハリウッドランド(2006/米)国民的ヒーロー・スーパーマンである事の呪縛に苛まれるジョージ・リーブズの苦悩に映画の焦点が合わされておらず、死の真相を探る探偵の私生活に時間を割きすぎだ。探偵役エイドリアン・ブロディは魅力的だが。 [review][投票(1)]
★4狂熱の季節(1960/日)これは巧い。乱暴にカメラを振り回しているように見えて、細部の音の演出まで的確。主人公の無軌道な行動には吐き気を覚える面もあるが、彼の無法な躍動性が映画的活気をもたらしているのもまた事実。連続噴射するエネルギー。 [review][投票(1)]
★3ロバと王女(1970/仏)視覚的な面ではやや作りが甘い印象もあるが、この能天気な幸福感、ドヌーヴの柔らかさ清楚さと物語のナンセンスさが結びついた軽やかさは、そう簡単に真似できない筈。設定がシュールな分、演出を牽引する色彩の力が、より純粋な形で発揮されている。 [review][投票(1)]
★2老人と海(1958/米)いちばん嫌いなタイプの映画かも知れない。美しい画は幾つもあるが、過剰なナレーションが、映像に浸る事を許してくれない。老人の独り言や、ショットの構図、役者の演技などで表現すべき所まで、いちいちナレーターが語りに語る。 [review][投票(1)]
★3按摩と女(1938/日)一つ一つのショットの構図が美しく、盲人が主役である事を忘れてしまいそうなくらい視覚的快さに満ちた映画。温泉気分の穏やかさの中に、適度にシニカルさとサスペンスが塗されている匙加減が巧い。のほほんとした雰囲気を保ちながらも、平板さを免れている。 [review][投票(1)]
★4裏切り者(2000/米)電車の映画。どこか『ゴッドファーザー』part1・2を踏まえた様子も窺える。主人公の境遇の卑近さと裏社会の黒さや、人間関係における信頼と敵意。それらの緻密な描写から醸し出される雰囲気がいい。 [review][投票(1)]
★3息子の部屋(2001/仏=伊)スクエアな映画。誠実に、丁寧に撮られた映画、という枠から一歩も出ようとしないのが、やや窮屈。演出は繊細だが、余りに手堅すぎる。観るべきはやはり、その枠を抜け出してより詩情を獲得した、終盤のシークェンスだ。 [review][投票(1)]
★4ゾラの生涯(1937/米)ドレフュス事件に凝縮された、ゾラの生涯のエッセンス。正義一直線の人物として描かれたゾラ。僕は基本的に、そうした直球勝負の映画は余り好みではないが、直截な演出を一つ一つ重ねていく丁寧さや、端々に見える意外な繊細さに感心させられた。 [review][投票(1)]
★3ペルセポリス(2007/仏=米)僕らにはテレビ画面の向こう側の世界でしかない、爆撃、拷問、宗教戒律、等々に対し、ヒロインのマルジが徹底して「普通」である事の新鮮さ。半面、マルジの日常そのものが普通の環境に移った途端、単なる普通の女子日記と化すのが難。 [review][投票(1)]
★2皇帝円舞曲(1948/米)犬の使い方が一応は面白いが、擬人化過剰気味。どれだけ演技させても所詮は主役二人の恋愛の投映でしかない詰まらなさ。また主役二人が全く魅力的でない。ぶしつけなアメリカ人気質で階級社会に土足で踏み込む品の無さも嫌。 [review][投票(1)]
★3ミニヴァー夫人(1942/米)バラは全ての人にとって美しく、状況は総力戦であるという事。 [review][投票(1)]