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[コメント] ガマの油(2009/日)

全体的には脚本、演出共にそう悪くはないが、ヒロイン・光(二階堂ふみ)の鬱陶しさが半端ない。三歳児がそのまま大きくなったような言動は、最初の内は明朗さとして許容可ながら、その一本調子が続くにつれて苛々する。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







短い単語を勢いよく発する台詞回し一辺倒の光の、その内面性の乏しさは、人間というより牛か馬と同類な印象。彼女が吹き込んだ携帯の呼び出し音声すら耳障りに聞こえてくる。

ガマの油売りとの思い出を何かの暗喩と見做してその意味を解釈すれば色々と言えるだろうけれど、そうした勝手な想像よりも、そのナンセンスさを愉しみたい。意味の無さは、少年時代の主人公がたまたま油売りとその妻に出逢ったという偶然性によって、思い出としての具体性をより感じることができる。観念的な解釈など不要。ただ、株トレーダーという職業が、家族を省みない自己中心性として描かれているのは何とも紋切り型。その豪邸のデザインや「どんなもんじゃい!」の鬱陶しい叫び声も併せて、ここまで徹底して戯画的に描いているのが却って新鮮に見えなくもないのだが。

(評価:★2)

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