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[コメント] 悪魔の美しさ(1949/仏=伊)

演劇調の大仰な演技も、このテンポのよいリズミカルな編集には合っている。とにかく、役者の一挙手一投足や台詞の呼吸、効果音の入るタイミング、短いショットの連なり方など、全てが完璧にリズムに乗っている。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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また、序盤でアンリが泥棒と間違われるシーンに始まる展開の妙や、アンリの足にネズミがまとわりつくショットの反復、鏡を使った未来像の展開などに見られる時間軸のコントロールが巧み。唯一の欠点としては、そうした時間的操作が完璧すぎるせいで、映像の中のドラマよりも映像それ自体の流れ、時間的なフォルムを眺めている印象が強く、登場人物に感情移入し難いことか?とはいえ、金貨や燭台が塵に変わる場面や、メフィストの後ろで変わる背景、もうもうと立ち昇る煙、といったイリュージョンは楽しい。

釜戸で燃える炎や、戦争と魔術など、観ている最中に『ハウルの動く城』を連想してしまったのは僕だけだろうか。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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