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[コメント] ハムレット(1948/英)

オリヴィエ一座の格調高い演技
地平線のドーリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画(映像)の演出としては、凡庸としかいいようがないが、やはりオリヴィエを中心に格調高い演技で緊迫感があり、やはり「ハムレット」といえばこれであろう。ハイコントラストの映像が緊張感を高めている。闇の中に、オリヴィエがいるだけで画になるのだから、たいしたものだ。 カットとして、白眉だったのは、池に沈んで行くオフィーリアのところで、フレームインしてきた彼女が、ゆっくりと流れて行き、その後に続いた花につけてパンしていくと、もう静かに池の底に沈んでいっている。これには、正直ゾッとするような美しさを感じた。19世紀末の画家が確か、この場面を描いた絵があったような気がするが、気が触れた彼女の表情もあいまって、頽廃的な美しさがある。

ただ、正統すぎて、ハムレットという独自の性格の人物が浮き立たない印象があるが、それはないものねだりだろう。

(評価:★4)

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