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[コメント] 恐怖のメロディ(1971/米)

驚く程に完成度が高い。伏線の貼り方、その回収の仕方。そして、撮影と演出の、つまり見せ方の妙。余りにも上手く出来ているのが分かる。
地平線のドーリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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今更ながらに、イーストウッドにはまっている。 見ながら、三池崇史の『オーディション』の元ネタはこれかと思った(村上龍の原作はあるものの)。

イーストウッドにとって、ドン・シーゲルとセルジオ・レオーネの影響が大きいと言われるが、精神的な師匠としてはヒッチコックがいるのだろう。 カサベテスが「ヒッチコックの名前がクレジットされていないよ」とからかったのはよく知られているが、所々にヒッチタッチ的な映像が見られる(イヴリンが家政婦をナイフで切るところなんかは、まさに『サイコ』的なモンタージュだ)。 後年の『チェンジリング』の犯罪者の家に警察が忍び込んでいくところもそうだが、イーストウッドの演出にはサスペンスを越えて、ホラータッチになっているところが多く見られる。処女作からその資質は開眼している。 ジャズへの偏愛や巧みな暴力描写も含めて、イーストウッドの現代劇に見られる要素の萌芽がここにはある。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Orpheus ジェリー[*] 3819695[*]

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