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disjunctiveさんのコメント: 更新順

★415時17分、パリ行き(2018/米)無能という属性が受容されるモチーフを童貞トリオの珍道中が古典落語のような人情噺に容赦なく落とし込む。キマイラのように怪異なかかる構築物は、人物対比を狂わせることで恒例のドキュメンタリーパートを混乱させるオランドの短躰を以て絶頂に達する。[投票(3)]
★3リアリズムの宿(2003/日)語り手のエゴが自らの課題を原作に接ぎ木している。リアリズムの宿に包摂されてしまうと前後の断絶のあまり、冬の日本海が時空を曲げたような文芸的な効果があらわれるのだが、もはや『リアリズムの宿』である必要はない。[投票(2)]
★3黒い家(1999/日)人格障害を勇敢さと読み替えてしまう語り手の配慮は劇中人物への同一化という未熟を忌避する。大竹しのぶにメロドラマのような人物像が投影される一方で、内野聖陽が同一化の対象から脱落する。[投票(1)]
★4父の秘密(2012/メキシコ=仏)虐使を被った人間の振る舞いが動物然となり、ストレスが過眠を貪らせる。人間を一個の生体に還元するかかかる生命観が社会という感じを希薄にしている。それは、あの虐使のつらさが消化できるという恩寵をもたらすのだが、最後は事をお伽噺にもしてしまう。[投票]
★4イブラヒムおじさんとコーランの花たち(2003/仏)何年経っても懐メロが流れているような錯覚を抱かせる過去への荒い解像度が、少年にシャリフが転生されたかのようなSF感覚をもたらし、感化を与えた少年にやがて陥落させられる少年愛の典型的過程に付加価値が生じている。[投票]
★4ドント・ブリーズ(2016/米)スティーヴン・ラングという悪乗り配役からわかるように普通の活劇ではない。幸薄い老人を若者が襲撃する筋立ては、若者の生死よりもラングの幸福に気をやらせ、恐怖映画の様式が別種の緊張を強いる。ラングは退治されてしまうのではないか?...またしても。 [review][投票(2)]
★4アレクサンドリア(2009/スペイン)タイタニック』で例えれば、レオが闇落ちしてビリー・ゼインが良識を保つのである。公平を期そうという強迫観念で緊張が絶えず生じていて、修羅場に際して試された人間性は悉く敗北する筋にもかかわらず、人が不遜にはならなかったという爽快な後味がある。 [review][投票]
★4スリー・ビルボード(2017/米=英)社会の写実にこだわらないジャンル物の緩い慣習に事件は支配されている。にもかかわらず、われわれはそれをそれとして受け取れない。 [review][投票]
★3エイプリルの七面鳥(2003/米)道学臭に巻かれているうちに、障害物のベタな投入が許せてくる。バーンズ一家の模範造形も模範過ぎるがゆえに、アリソン・ピルの魚雷の弾頭のような平滑なる額が生物の迫力で以て道徳教材の枠を打ち破り始める。[投票]
★3KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米)感傷に溺れエキゾチシズムに甘え停滞する冒険と抽象的な抗争に活を入れるのはマシュー・マコノヒーの陽性の造形。しかしその到達点にあるものは、フィクションの効用にたいする強迫観念という業界人の自意識、つまり空虚の最たるものである。 [review][投票(2)]
★4葛城事件(2016/日)三浦友和以外になり得ないあの呪わしき定常が死すらも克服して彼を再び日常へ組み込むとき、相貌も込みで現れるのは一種のベニチオ・デル・トロ映画のような無常のダンディズムである。[投票]
★3ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)ロバート・デュバルの美事な頭部と比較参照させることで、おのれの薄毛の相対増幅を試みる姑息な助平心はまた、美術とガンファイトを精緻にせずにはいられない苛烈な自己認識の産物でもある。 [review][投票(2)]
★3イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(2014/英=米)オッサンが単身生活の破綻させて人類の原罪を引き受けるこの発達障害啓蒙映画でマーク・ストロングが『裏切りのサーカス』の復讐戦を敢行したのは明らかだが、その手管はあまりにも前衛的だ。 [review][投票]
★4サクリファイス(1986/スウェーデン=英=仏)停電の夜のもたらした時制の喪失が積極的に誤認されたのか、災害による性欲増進が更年期のオッサンを行き詰まらせ、夜這いの試みを過剰粉飾する。更年期障害から自律して猛る性欲。その徴表としての慣れ合う運動会。 [review][投票]
★4恋愛適齢期(2003/米)老女が70年代ダイアン・キートンそのままの挙動を来す様には、オッサンがモーションキャプチャーを介して3D造形物の美少女に憑依したかのような蠱惑がある。キアヌを熟女趣味だと責めるわけにもいかなくなる。 [review][投票(1)]
★4この国の空(2015/日)招集の恐怖に揺れ動く繊細な長谷川のエロ顔に素直クールという女のエキセンな生き様をいかに結合させるか。ロマンスの難解な衝動が社会変動と同調している意匠なのだが、戦中戦後を相対化する謎のてよだわ言葉はむしろ宇宙を逆侵略し始める。[投票(2)]
★4帝一の國(2017/日)竹内涼真が菅田将暉を相対化した際、その竹内を千葉雄大が更に相対化することで、菅田の価値観はとりあえず崩れない。菅田と千葉の間には価値観の高踏さで差がつけられるが、菅田には犬属性が見出されることで、自尊心と犬たる性質の並立が見込まれる。 [review][投票]
★4バーン・アフター・リーディング(2008/米=英=仏)女の厚顔が厚顔でありながら恐怖を受容する不可解な現象が、勝ち逃げわらしべ長者の寓話から風刺の無責任を抽出させない。女の才幹を発現させた厚顔ゆえの勇気が官僚制と難解なかみ合い方をすることで、組織の魅惑的な縦深を描画する。 [review][投票]
★4仁義(1970/仏)フランソワ・ペリエのネコ愛玩にイヴ・モンタンのおもしろ科学工作。オッサンの行き詰まる単身生活がロボ化した女たちによって重奏される。隙あらばスキンシップに励むアラン・ドロンらのボーイズ・ラヴとの間に、刹那の親和力を生じさせながら。[投票(1)]
★3スター・ウォーズ 最後のジェダイ(2017/米)男の疲弊に哀憐を寄せる眼差しは、単身オッサンの孤島ライフを記録映画調の豊穣さで捕捉するが、シリーズの基底にある武断肉体主義とは相性が悪い。無茶苦茶になった個々人の戦闘力の位階を破綻の手前で押しとどめるのはデイジー・リドリーの鼻息。[投票(2)]