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disjunctiveさんのコメント: 更新順

★4TENET テネット(2020/米)いい大人が眉間に皴を寄せてエントロピーだのプルトニウムだのと言葉を交わす罰ゲームのような安さ。セイリングでキレのない体を持て余すエリザベス・デビッキのタヌキ顔が全てをヒモのDV劇へ矮小化する。 [review][投票(2)]
★4愛、アムール(2012/仏=独=オーストリア)細部に悲酸が宿るほど経済問題のない介護物の浮遊感は否めなくなるが、そのフワフワを逆手にとって、トランティニャンは気品を隠せない自身の西村晃声に導かれ運命の虐待から卓越していく。その際、イザベル・ユペールのテンパりが対比として効いてくる。[投票(1)]
★4インランド・エンパイア(2006/米=ポーランド=仏)ローラ・ダーンの内村光良顔がホワイトトラッシュの質感にふれたとき、北米がロシアンパブに覆われていく。その偶発的な軟地盤は構造物を彷徨ううれしさをともないつつ、納品は終わったのに疲弊で不機嫌しか残らない負の達成感に物質的土台を獲得する。[投票(1)]
★4偽りなき者(2012/デンマーク)女児が性愛という自然に乗っ取られることも、カウンセラーの誘導尋問が無能の迫力を以て事態を膨張させるのも、何かに身を委ねることへの愛癖だ。 [review][投票]
★4サイレント・ランニング(1971/米)あらゆるカテゴリーを包括してきたニューシネマがSFという際物を持て余してしまう。志に撮影の質感が追い付かない安さは、70年代という文明の根源的な安さを検出せざるを得なくなる。だがその安さは帰属先を喪失した感動的な安さなのだ。[投票(2)]
★4ブーリン家の姉妹(2008/英=米)能力の定義をめぐる話で、人間の淘汰に関心があるのだから、無能を無能と見せないさじ加減がサスペンス感をもたらし、それはナタリーの焦らしテクとして開花する。 [review][投票]
★4タイタス(1999/米)ネタ映画である。旧劇の大仰な芝居から微細な心象がこぼれる隔靴掻痒も、レ〇ターをそんなに挑発していいのかという嬉しいドキドキも、すべて、こんなオファーされて当人怒ってないかというメタな不安にたどり着く。 [review][投票]
★4ランボー ラスト・ブラッド(2019/米)粘りのない老人演出の明るい諦念は人体をカジュアルに破壊する喜劇に想到し、スタローンの安い声音が状況を超越していく。男は無力に頌揚を覚えたのである。[投票]
★4イースタン・プロミス(2007/英=カナダ=米)コテコテのVシネにナオミ・ワッツの筋が絡むカテゴリーエラーの喜劇は、ヴィゴ・モーテンセンの怖気の振るうナルシシズムに帰着する。文体の模索はとうぜん試みられ、ナルシシズムはポルノの物的な迫力へと発展的に誤用される。 [review][投票(2)]
★4悪人伝(2019/韓国)ドンソクがキム・ムヨルと取引する必要があるのだろうか。本来ならボーイズ・ラヴを高揚させるはずのその不自然がドンソクのヒロイズムにただ乗りするあまり、童貞やくざ映画という虚無に誤接続する踏み足。[投票(1)]
★4善き人(2008/英=独)運に寵愛される不安じみたフワフワはビルケナウのゆるふわな対比法で懲罰的に模倣された。しかしその自己顕示的迫力は叙情というよりも叙事を全うできなかったという根性論に人を傾斜させる。[投票]
★4アメイジング・スパイダーマン(2012/米)偉すぎるオッサンたちの死屍累累もリス・エヴァンスの哀しきクローネンバーグ節も、すべては、一夜の事件に長い歳月を錯視させてしまう失恋した夜の体感の肥やしにしてしまう安定のマーク・ウェブ節。[投票(1)]
★4スウィッチ(2011/仏)ヒロインの混迷を深堀するには明晰さに満ち過ぎる文体が素朴な田舎者の素性を戦闘民族と解するアクロバットに走る。屈折する男たちの北米観に翻弄されながらも戦闘民族の誉にのめり込む嬉恥ずかしさ。[投票]
★3箪笥(2003/韓国)昼ドラの引力が怪奇の実体化の匙加減となっても、筋が滞留する外部効果は否めない。怪奇の全振りは恐れたとおりに喜劇じみたものになるが、昼ドラの滞留から解放されたうれしさもある。つまり悲劇と浄化を取り違えている可能性がある。[投票]
★4パラノーマル・アクティビティ(2007/米)いや、時折画面の端に見えるデイトレードのチャートの方が余程怖い。ヒロインの友人が可愛い方がよほど緊張する。そもそもケイティが老け顔で... [review][投票]
★4REC/レック2(2009/スペイン)神が完全ならなぜ悪魔が、という悪魔の曖昧な存在論に手加減や八百長の合理化が託される。その肝試しの運動感覚の懐古な感じが悪魔に人柄を与える。[投票]
★4バタフライ・エフェクト2(2006/米)幸福に耐えられない貧乏性がある。跳躍への没入だけがスポ恨を模倣する意匠に邪念と貧乏性の苦しい兼ね合いが見えてくる。栄達という邪念。そこに過程がないという後ろめたさ。その極限としての肉体の対消滅。[投票]
★4さよならをもう一度(1961/米)不可解なパーキンスの熟女趣味もバーグマンが地雷に引っ掛かったと解釈されれば彼女のナルシシズムが母性に変貌する。イヴ・モンタンにとってみればその母性は不倫の仮構となり、性欲を牽引されてしまう。[投票(1)]
★4パレード(2010/日)役者に個性を展示させるという目を覆いたくなる演出の営みが語り手の度重なる転変を経て造形の放過に至れば、場が人格の隙間を埋めていく。[投票(1)]
★4カエル少年失踪殺人事件(2011/韓国)ゴミ浚いにモリコーネのような大仰な劇伴をかけてしまうかけ違いには、愁訴が内省に対する反発として現れるような野蛮が感ぜられる。事件のわからなさが、予測しがたい人の行動と展開のスペクタクルに接続してしまうように。[投票(1)]